===米国留学その2)~年間行事編~===
読者の皆様。
前回UPより若干日数が空いてしまいましたが、「米国留学その1)~渡米まで~」の続きです。
実際にアメリカで生活する、という観点からイベントなども散りばめております。
9月開始の秋学期入学で渡米する場合の大まかな流れは以下のようになります。
■渡米直前~渡米。
(前年の)10月~3月:何段階かの締切日に合わせて入学願書を複数出す。
2~4月:留学先の決定。前年に決まる人も居ますが、多くは2~3月になるまで進学先が決定しない。社会人の場合、進学先が決まるまで2~3年かかる場合もよくあります。(★1)
4~6月:留学先の事務局とのやり取り。入学許可証やビザの発給手続き(★2)など。
7~8月:渡米して(9月からの秋学期に備え)、4週間ほど現地の語学学校に入る。進学先の大学に外国人用語学学校がある。そこで英語の読み書きの勉強をします。入学決定時点で英語力に問題が無いと大学側から判断された場合、語学学校を受けなくて良い人もいます。
引っ越し等、アメリカ生活の基盤もこの頃に準備します。バスや電車が発達していない地域の場合は車が必須となります。ちなみに私の場合はワシントンDC(DC)の大学で、住まいはキャンパスから橋を渡ってすぐ隣のバージニア州でした。
M street(Mst)私が住んでいたバージニア州側と大学のあるワシントンDC側を結ぶバスが走っています。バスの向こう側のレンガの建物は食料品のDean&Deluca)
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■大学院1年目。(渡米1年目)
9~12月:秋学期(FALL SEMESTER)。必修科目中心。取る授業はほぼ決まっている。初めての学期は授業のペースについていくのが日本人には結構大変。逆に、この時期にドロップアウトしなければ、そのまま2年目までなんとかなりそう。私のクラスではアフリカ出身の女性留学生がこの学期に一人自主的にドロップアウトしてしまった。(★3)
10月:中間試験の頃。DCは気候がよく、BBQ(バーベキュー)や、DC近郊在住の日本人留学生によるPARTYなど。年に2~3回日本人留学生のPARTYがあり、他学部や他大学の日本人留学生とも知り合いになる。(★4)
11月上旬:ボストンキャリアフォーラム(Boston Career Forum;BCF)という日本人留学生向け就職イベントなど。翌年の夏休み用インターンを探す人も居る。
11月下旬:サンクスギビング休暇。水(授業なし)木(七面鳥を必ず食べる)金(ブラックフライデー(★5))土日など。
12月中旬:期末試験。
12~1月:試験終わったらクリスマスパーティー。冬休み。一時帰国や旅行など。
1月中旬~4月:春学期(SPRING SEMESTER)。
2月:上旬SUPERBOWL観戦。
3月上旬~中旬:春休み。数日ほど(★6)
4月:期末試験。なんとか1年目が無事終了。
5~8月:夏学期(SUMMER SEMESTER)&夏休み。一時帰国。夏学期は授業を取る人と取らない人がいますが、所属する大学院のプログラムによって授業が必須かどうかは違います。夏学期も前半と後半に分かれていて、両方の授業を取るとは限りません。また夏休みを利用して企業等でインターンをする人も多い。インターンは年間を通して大学から斡旋されてくる人も居る。この時期は各学生のスケジュールや所属するコースによって決まります。
(大学のすぐ近くにあるThe Tombsというアメリカンレストランの入り口。アーチ状の入り口から階段を降りた地下1階にある。St Elmo’s Fire(1985)という青春映画の舞台に出てくる’St Elmo’s’barのモデル。Tombsの左隣(1階)には高級フレンチレストランがあり、政治家などのお偉いさんが運転手付きの高級車に乗って時々食事に来る。)
■大学院2年目(渡米2年目)
9月~12月:秋学期(FALL SEMESTER)。1年目と比べて授業のペースにも慣れる。また選択科目を色々とる。必修科目も残っています。
11月上旬:ボストンキャリアフォーラム(Boston Career Forum;BCF)という日本人留学生向け就職イベントなど。
11月:サンクスギビング休暇。水(授業なし)木(七面鳥を必ず食べる)金(ブラックフライデー(★5))土日。
12月中旬:期末試験。
12~1月:試験終わったらクリスマスパーティー。冬休み。一時帰国や旅行など。
1月中旬~4月:春学期(SPRING SEMESTER)。
2月:上旬SUPERBOWL観戦。
3月上旬~中旬:春休み。数日ほど(★6)
4月中旬:期末試験。
5月~6月:卒業式がこの間ににあります。
7月~:帰国(企業派遣など)。現地に残ってインターン(1年間ビザ有効)しながら職探しやすぐ就職。一時帰国など。そのまま別の大学院へ更に進学など。PhD(博士課程)コースに進む人も居ます。
(大学の図書館。5階建て。写真の階段を登った場所が3階で図書館正面の入り口になっている。図書館はキャンパス内に複数あり、こちらは一番大きくていつも利用していた。図書館内には学生が運営している夜中もやってるカフェがあります。図書館は他学部の学生や院生との交流の場でもある。試験期間中は図書館にこもる学生が多いため、図書館の常連になると図書館友達があちこちに出来る。皆、勉強するときは図書館内の気に入ったフロアや机の場所が固定するので、そこで顔見知りが増えると自然と友人が増える。)
■渡米3年目
1年間のインターンやそのまま現地就職。他大学への進学(★7)やさらにそのままPhDコース進学など。
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(大学があるジョージタウンという街のM street(Mst)。10月31日のハロウィンの夜は毎年人で溢れかえります。)
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★★★(注意)★★★
(★1)
件数は少ないのですが、大学側から入学許可が出た後、翌年まで入学を1年遅らせたい人が時々います。その場合、大学側と交渉して入学許可を維持したまま、実際の入学を1年間待ってもらい、翌年の9月入学に持ち越し出来ることがあります。このようなワザは日本の大学ではまずみられません。しかし、海外ではルールは原則として、交渉次第で変則的なことが可能なこともあります。
(★2)
私の場合、修士課程(Master’s program)の大学院生として留学したのですが、外国人がアメリカで留学生活を送る場合は、基本フルタイム学生(full-time students)として必要なビザ(F-1Visa)(&I-20書類)とパスポートが入国および滞在中は必要となります。パスポートは皆さんご存知でしょうが、ビザについては色々な種類がある、ということをご存じでしょうか?留学生でも、私のような学生(F-1Visa)としての身分か、それとも研究生(J-1Visa)かで違う場合もあります。医師が研究職で研究所等に留学する場合はJ-1Visaでしょう。また、ビザはその年のアメリカ政府の方針でビザを発給してもらう条件も変わりますので、当時の私の場合と現在では条件が違うこともあるのでご注意ください。
(★3)
アメリカの大学では日本より転校し易い。最初の大学が自分に合わないと思ったら、受け入れ先があれば1年目で転校できる。
日本人はどうしても英文を読むのがアメリカ人より遅いので、週末は予習のREADINGに使うことが多い。授業は月曜~木曜まであり、金曜は授業が無いことが多い。これも所属するコースのプログラムによって、必要な授業数は少し違います。普通は修士課程のフルタイム学生の場合、秋学期と春学期はそれぞれ3~4科目取る(=レジスターする)。なお、2年目になると、慣れてきたら英文を読むスピードや、飛ばし読みなど、読み方が上達する。
(★4)
この頃に日本人留学生同士で積極的に交流するのを避けるタイプと、そうで無いタイプに分かれる。留学開始直後で力が入っているのか、なるべく日本人以外のアメリカ人や他の外国人とだけ交流する人も見られる。しかし、実際には多くの日本人留学生は現地アメリカ人やヨーロッパ人よりは、タイ人や台湾人、そして韓国人のアジア系留学生と仲良くなることが多い。なお、中国本土出身の中国人はあまり日本人と交流を持たないが、香港人はそうでもない。同じようにアラブ系留学生はアラブ系同士とつるむことが多い。同じイスラム系でもトルコ人は親日家が多いし、私もトルコ人の友人がいた。私の場合、大学院の所属プログラムで唯一(初)の日本人だったため、クラスメートは全員アメリカ人か日本人以外の留学生だった。といっても、同じ大学の別のプログラムには日本人が多数居たため、日本人留学生の友人も多数いた。ま、これらは主観も入ると思うので、参考程度としてください。
(★5)
サンクスギビングデーは毎年木曜日と決まっていて、その次の金曜日をブラックフライデーという。この日を境にアメリカではクリスマス商戦が始まる大事な初日となり、ショッピングモールでバーゲンセール開始となる。この日の売り上げが、その年のクリスマス商戦の盛り上がりを測る大事な一日。このサンクスギビングの週はほとんどの現地アメリカ人はオフモード(仕事しない)。事務手続きとか翌週まで進まないことが多い。
(★6)
DCの学生はこの休みにNYCに遊びに行く人が多い。学生はお金が無いので通称CHINATOWNバスという、DCやNYC、そしてボストンなど主要都市のCHINA TOWNと発着場を結ぶ、激安のCHINA TOWNバスを利用することが多い。片道15~25ドルくらい。実際にはCHINATOWN系列以外にもユダヤ系の激安(+少し高級)バスやGREYHOUNDなどもある。もう少し資金があれば高速鉄道のAMTRAKを使う。
参考:Rolling With It,The Best Bus for Your Buck
http://www.washingtonpost.com/wp-srv/artsandliving/travel/busreview/
なお、中間試験が休みの後なら、試験勉強の準備などにあてる。
(★7)
私の場合は卒業後に(レアケースですが)そのまま別の大学でもう一つのプログラムに行ったのですが、9月開始なので一時帰国して日本で医師として3か月ほど仕事(バイト)していた。
★★★★★★★★★
(ワシントンDCにあるSmithsonian Museumの地下鉄出口前。駅前はモールと呼ばれる長方形の広大な芝生の広場。Capitol Hillやホワイトハウスもここから徒歩圏内にあります。写真は夏。)
ここらで文字数が長くなってしまいました。
さらなる詳細については。次回の「米国留学 その3」で述べたいと思います。
2014年冬(高校39回卒 F)
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